この世界の片隅に(上)/こうの史代 著

こんにちは、ひとやすです。

今日はこうの史代さんの「この世界の片隅に(上)」を読みました。Kindle版です。

 

こないだ Amazonプライム・ビデオでアニメ映画版「この世界の片隅に」を見ましたので、どうしてもアニメのイメージのまま読んでしまう面があるかもしれません。

 

しかし、映画版「この世界の片隅に」は驚異的なくらい原作を忠実に再現しています。漫画という1コマ1コマの「絵の世界」を動画にするというのは大変な作業だろうと思うのですが、それを原作と違和感無いように再現するのというのはそうとうな技量を必要とするでしょう。

 

「この世界の片隅に」は、太平洋戦争における「呉軍港空襲」、「広島への原爆投下」を題材とした漫画作品です。

 

広島から呉までは直線距離で21.5Kmくらいだそうです。

 

「この世界の片隅に」の本編は2007年の初め頃に連載スタートしたようです。連載に先立って、『冬の記憶』『大潮の頃』『波のうさぎ』という、主人公すずの幼少期を描いた短編が読み切り作品として発表されており、「この世界の片隅に(上)」にはプロローグとしてこの読み切り3作品が収録されています。

 

読み切り作品として発表されたこの3作品ですが、「この世界の片隅に」という物語の中核となす部分を暗示している重要な短編作品です。

 

『冬の記憶』はすずが中島本町へおつかいに出かけるお話し。

『大潮の頃』は草津の祖母の家に出かけるお話し(座敷わらしに出逢う)。

『波のうさぎ』はすずが海の絵を描くお話し。

 

中島町は現在の「広島平和記念公園」の所在地です。

下記、wikipediaから中島本町についての部分を引用させていただきます。

この町の北端には、T字型の橋として有名な(原爆の投下目標ともなった)相生橋が架けられた。町域のほぼ中ほどを中島本通商店街(旧西国街道)が横断し、映画館・カフェー・ビリヤード場などの娯楽施設や、銀行支店などの商業・金融施設が集中する中島地区の中核であった。原爆の犠牲になった町民は458人。原爆供養塔、原爆の子の像、平和の灯はこの旧町域に建設されている。

 

「この世界の片隅に(上)」物語本編は、すずに突然の縁談が舞い込むところから始まります。

そして結婚し、結婚相手の「北條周作」と周作の姉である「径子」、径子の娘の「晴美」とのやりとりがほのぼのとしたタッチで描かれています。

(ちなみに「径子」は何かにつけて小言をいうようなちょっとイヤな小姑といった役どころです。しかし、すずは天然な性格なのでイヤミに気付かない感じ。)

すずと径子との関係はやや難しい関係ですが、晴美とは仲良くなっていきます。

 

被害をひろげた建物疎開

 

上巻は、建物疎開という「空襲による火災が広がることを防ぐためにあらかじめ建物を取り壊すこと」が始まり、径子の住む家も取り壊しになるあたりまでの物語です。

 

現在を生きる私たちは、広島に悲劇を訪れることを知っています。「この世界の片隅に(上)」では、まだ悲劇が訪れることを知らない人々の日常が、たんたんとほのぼのと描かれています。

 

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