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伝わるだろうか、闇の中を超えてこの小さな光は。

こんばんは、ひとやすです。

今日はちょっと変わったタイトルになりました。

何ですか?中二病ですか?と言われそうですが、そうではなくこれは、よしもとばななの小説の中の一文です。

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さきちゃんたちの夜

さきちゃんたちの夜は、よしもとばななの短編集です。

その中に「鬼っ子」という短編が収められています。

物語は、主人公である紗季の母の姉、つまり伯母の四十九日法要のシーンから始まります。伯母は変わった人で親族と縁を切り宮崎で独りひっそりと死に、骨だけが親族の元に送られてきたというのです。

親戚達からはやっかいな人物と思われていたのです。

しかし、紗季はその伯母に少し共感めいたものを感じていて、そこで、紗季はひとり宮崎まで行くことにするのです。

伯母は宮崎で「素焼きの子鬼」をつくり続けていました。伯母の部屋の中にはおびただしい数の「子鬼」がいたのです。伯母は創作活動をしていたというわけなのです。

伯母は紗季が来ることを予期していて紗季あてにメモを残しています。紗季はメモを読み「ありとあらゆる角度からぞっと」します。

伯母が死んだ後の「あとかたづけ」をしてくれたのは、近所に住む黒木さんという人物でした。

伯母はある事柄から黒木さんを救い、黒木さんは伯母のことを尊敬しています。

黒木さんは自分でも自分のことを「あたしみたいな見た目のもの」というように、民話の中から出てきた子鬼のような姿をしています。

黒木さんは紗季に「変わった子だね」と言います。

紗季は伯母に近い何かを持った子なのでしょう。

夜になり、闇の中で紗季は、「迫りくる闇の渦」を感じ、ひとりで闘っていた伯母を想います。

そして伯母に語りかけます、「時差はあるけど、ひとりではない」、伝わるだろうか、闇の中を超えてこの小さな光は。

伝わらなくても伯母は気にしない。私も気にしない。

闇の中で紗季と伯母は交流する。それは紗季の人生を支える交流となるのです。 

 

「鬼っ子」はひとやすのなかで、印象的な作品のうちのひとつです。

 

 

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