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ワビサビ

ひとかげ/よしもとばなな 著

こんばんは、ひとやすです。

ひとかげ

よしもとばななさんの「ひとかげ」をKindle版で読みました。

外に出ることもなく、こうやって本を読めるのは、対人恐怖症な人間にとってはまことに有り難いことなのです。

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よしもとばななさんの小説

よしもとばななさんの小説は、わりとたくさん読んでいます。「ひとかげ」もたぶん文庫版でも読んでいるような気がします。

「ひとかげ」は、以前に書かれている「とかげ」をリメイクしたものです。「とかげ」も文庫版で読みました。

「私」と「とかげ」の物語

「ひとかげ」は、「私」と「とかげ」の物語です。主人公は「とかげ」。その「とかげ」のことを、「私」の視線で描いている作品です。

「私」は、児童専門のクリニックでアシスタントをしている30歳くらいの男性。「とかげ」は、気功を習い小さな治療院を開業する33歳の女性。「私」は「とかげ」に魅かれ彼女にプロポーズします。

「私」と「とかげ」は、どちらも「誰かを癒す仕事」をしていますが、仕事観が違います。とかげ」は、命を削るように患者を治療する。一生懸命に。「私」は「子供たちの心と体」は聖堂だといい、僕がつくったものでもなく、僕には修理もできない、しかし、神聖なものとして扱いたいというのです。

そして、 「私」が働くクリニックには、事務員として「とかげ」とは対照的な女性が働いています。ごく親切で、優しい女性なのだと思います。「白い花のようなかわいい女性」と表現されています。

その女性は「私」に好意を寄せていて、「私」も彼女と結婚する方が自分にとって「より良い」ことであることを分かっています

物語がすすんでいくと、なぜその彼女でなく「とかげ」でなくてはならないのか、しだいに明らかになっていくのです。